AFTCコンシューマーレポート


◆パネルディスカッション
「自動車業界に求められる消費者対応」
【パネラー】
 青木 正典氏
 新美 順久氏

 糸田 省吾氏
 梶山 省照
独立行政法人 国民生活センター 相談調査部主査
公取協 消費者相談事例研究会座長・
トヨタ自動車 お客様関連部主査
東京経済大学 現代法学部教授
一般社団法人自動車公正取引協議会 専務理事

【コーディネーター】
 佃 義夫氏
日刊自動車新聞社 常務取締役 主筆 編集局長
青木 正典氏
新美 順久氏
糸田 省吾氏
梶山 省照
佃 義夫氏


●それぞれの立場からの意見

自動車業界の顧客対応  (青木氏)
国民生活センター及び消費生活センターに寄せられた自動車の相談は13,500件(04年度)で分野別の相談ランキングでは12位
消費者は自動車のリコールについて否定的なイメージ…業界を挙げてイメージを払拭すべき
中古車については「走行メーターの改ざん」「修復歴の不当表示」「キャンセル」などの相談が日常的に寄せられている

「買い取り」に関するトラブルが増加…「高額のキャンセル料」「強引な契約」
⇒トラブルの防止やスムーズな解決を図る体制が整備されることに期待



もっと積極的に満足を提供  (新美氏)
コンプライアンスという「マイナスを発生させない」から、積極的に満足を提供してお客様の支持を得る「プラス方向の競争」へ変化

お客様の満足を得るためには、お客様との接点となる第一線の対応が重要
⇒お客様それぞれのニーズ・期待にいかに応えていくかが重要

苦情に的確に対応するだけではなく、トラブルを未然防止することも重要


相談の半数が中古車の関係  (梶山専務理事)

公取協で受け付けた相談年間約6,000件のうち、約半分が中古車関係、4分の1が新車関係、残りが買い取り関係と整備関係

新車、中古車関係ともに「品質・機能」に関する相談が多く、次いで「キャンセル」に関する内容

相談対応の効率化と得られた情報の活用が公取協の課題であり、相談対応で得られた情報は整理して「コンシューマー・レポート」として情報提供し、トラブルの未然防止に寄与




●消費者対応における課題

レベルに応じた客対応を  (青木氏)

お客様それぞれのレベル、ニーズに合わせた対応…個々の営業員がいかにその商品に詳しくなるかがポイント



「苦情」は「注文」の裏返し  (糸田氏)
「苦情」が多いということは、消費者の販売店に対する「注文」がたくさんあるということ

消費者からの苦情が的確に売り手側に反映される仕組みづくりが重要



第一線をバックアップ  (新美氏)

お客様対応を第一線任せにせず、会社として第一線をバックアップする仕組みづくりが重要
⇒お客様からの質問に答えられないような場合、本部に問い合わせて確認できる体制づくり
⇒現場スタッフの商品知識レベルの向上のための機会を本部サイドが用意して対応



消費者向啓発の充実  (梶山専務理事)

消費者が必要な点を十分注意して購入、契約するよう消費者向広報の充実が重要




●インターネット取引

対応の中心は中古車販売  (梶山専務理事)

トラブルとして見受けられるのは中古車販売に関する内容…「契約したクルマと違うクルマがきた」など

実態のつかめない会社や個人間売買のような形をとっているケースも多く、今後、どのようにルールに取り入れていけるかが課題



「相手が見えない」リスク  (青木氏)

相手が見えないことが最大の問題点であり、自動車のような高額商品をネットオークションなどを通じて取引するのは相当のリスクを伴う



消費者は十分に理解して  (新美氏)

中古車は1台1台、個性のある商品であり、現車を確認しない取引には大きなリスクが伴うことを、消費者にも十分に理解して頂く必要がある




●ADR(裁判外紛争処理機関)の必要性

消費者の苦情適切処理  (糸田氏)

消費者の満足度を一層高めるということは、消費者からの苦情を適切に処理することであり、その行き着くところがADRによる対応ではないか

自動車業界においてもADRのような仕組みが必要ではないか


斡旋案提示する機関を  (青木氏)
訴訟の手続きは消費者にとって非常に負担が大きい

国民生活センターなどが入っても解決できないようなトラブルでも、すぐに訴訟ではなく、法的裏づけも含めて斡旋案を提示できるような機関が創設されることに期待



法曹的なノウハウが必要  (梶山専務理事)

自動車業界にADRがあれば消費者にとってプラス

但し、具体的な斡旋案を提示することが求められるわけであり、法曹的なノウハウが相当程度、備わっていることが必要