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AFTCコンシューマーレポート

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Vol.14

1.「買取り」に関するトラブル
 「買取り後の瑕疵発見に備えて保険加入を勧められた」ケース

1)相談内容(一般消費者からの相談)




先日、買取り店に出向いて手持ちクルマの買取り査定を受けた。その際、担当者から「買取後、クルマをオークションに出品して売却することになるが、その売却先(落札店)においてクルマの状態をチェックした際に機能上の不具合や瑕疵が見つかった場合には、そのクレームを解決するための費用(クレーム費用)が発生するので、万が一のために、そのクレーム費用を保障(免責)する保険に入りませんか」と言われた。このような保険に入る必要があるのか知りたい。




2)問題点




買取り店がオークションで買取り車両を売却後、そのクルマに不具合等が見つかった場合に発生する損害を、売主に転嫁している点




3)相談者への回答




買取り店は買取り査定の際に車両の状態を十分に確認し、その上で買取り額を算出しています。プロとしてチェックしているのですから、万が一、不具合や瑕疵の見落としがあった場合、その責任は特段の事由がない限り買取り店にあると考えられます。このような考え方からすれば、相談内容にあるようなクレーム費用を保障するための保険にユーザーが加入する必要はないものと考えられます。しかしながら、売主が走行距離や修復歴等について、買取り店に対して虚偽の申告をした場合は、売主の責任を問われる場合もあり得ますので、買取り店にきちっと説明し、その上で買取り査定をしてもらうことも大切です。




<会員事業者の注意点>




買取りを行う場合には、次の点に注意してください。
1.
買取り査定は慎重に行い、クルマの状態を十分にチェックすること。
2.
特に走行キロ数、修復歴については十分なチェックを行うこと。
3.
走行キロ数に疑問がある場合には、走行メーター管理システムで確認して対応すること。






2.中古車の「諸費用」に関するトラブル1
 「オークション会場からの陸送費を請求された」ケース

1)相談内容(一般消費者からの相談)




中古車雑誌で販売価格が30万円のクルマを見つけ、販売店に出向いて契約した。契約時には気がつかなかったが、帰宅して契約書を確認したところ、販売諸費用欄に「オークション会場回送費用」として3万5千円が計上されていることに気がついた。何のための費用かわからなかったので販売店に問い合わせたところ、当該車両をオークションから仕入れた際のクルマの陸送費であると言われた。販売価格30万円とは別に陸送費を請求するのはおかしくないか。




2)問題点




販売価格30万円と表示しながら、実際には仕入の際の陸送費を別途請求している点




3)相談者への回答




中古車雑誌に表示されている販売価格は、店頭において車両を引き渡す場合の現金価格ですので、仕入れの際にかかった陸送費等のコストは、あらかじめ販売価格に含めて表示すべきものです。したがって、「オークション会場回送費用3万5千円」は販売店の負担とし、契約書から削除してもらうよう交渉していくことが考えられます。




<会員事業者の注意点>




次の点に注意してください
1.
販売価格を表示する場合は、店頭において車両を引き渡す場合の消費税を含めた現金価格を表示すること。
2.
陸送費等の仕入れコストは、あらかじめ販売価格に含めて表示すること。
【自動車公正競争規約との関係】
「販売価格」を表示する場合には、店頭において車両を引き渡す場合の消費税を含めた現金価格を表示し、かつ、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用等は含まれていない旨を併記するものとする。 
【中古車に関する施行規則第6条第1項】
「表示された価格では実際に購入できないにもかかわらず、購入できるかのように誤認される恐れのある表示をしてはならない。
【規約第14条第8号】






3.中古車の「諸費用」に関するトラブル2
 「諸費用の内容に納得がいかない」ケース

1)相談内容(一般消費者からの相談)




4万9千円の格安のクルマを店頭で見つけ契約した。帰宅後、契約書を確認したところ、「車両システム代行費用」として3万円、「車検整備費用」の他に「納車準備費用」6万円が計上されていた。販売店に確認したところ、「車両システム代行費用」はメーター管理システムによりクルマの走行キロ数を確認するための費用、また、納車準備費用は車検整備以外の納車前点検やクリーニング費用であると言われた。このような費用を支払わなければいけないものなのか知りたい。




2)問題点




「車両システム代行費用」としてメーター管理システムによる走行キロ数の確認費用3万円を請求している点
「納車準備費用」として納車前点検やクリーニング費用を請求している点




3)相談への対応




メーター管理システムによる走行キロ数のチェック、納車前点検やクリーニング等の「納車準備費用」は、本来、車両価格に含まれているべきものであるので、これらの費用については見直しを求めて販売店と交渉することが考えられます。




<会員事業者の注意点>




次の点に注意してください
1.
諸費用の額や内容については、消費者に説明できる合理的な内容であること。
2.
納車前の点検やクリーニング等の費用は販売店が中古車を販売する際に当然、行う作業であり、本来、それらの費用については販売価格に含めておくこと。